CHATEAU HAUT FERRANDAT 2001(仏AOC SAINT-EMILION 赤)<15>

飲んだワイン、ちゃんと記録していくのはやっぱタイヘンだ・・。
というので今後は簡易メモも採用。
1月中に飲んだワイン10本は紹介されぬまま瓶を捨ててしまったので、とりあえず数量カウントのみ。


「CHATEAU HAUT FERRANDAT 2001」
AOC SAINT-EMILION
産地:仏サンテミリオン
品種:メルロ40%、カベルネフラン30%、カベルネソーヴィニヨン30%
度数:12.5%
金額:2,000円程度。
飲んだ日:1/28
この日の料理:コロッケカレー


【外観】-
【香り①(そのまま)】-
【香り②(グラスを回して】-
【味わい】あまり印象に残っていない・・


<おべんきょ>
サンテミリオンは、ボルドーの一地区。
ボルドーは中心にジロンド川が流れ、その支流のドルドーニ川(北側)と、ジロンド川(南側)があり、
その周辺にワイン産地が広がります。
ドルドーニュ右岸にポムロール、サンテミリオン
ガロンヌ左岸にソーテルヌ、バルザック、グラーブ。
両岸に挟まれた部分に、アントル・ドゥー・メール。
河口近くジロンド沿いのメドック
そのうちサンテミリオンメルロー種を主体に、きめ細かく、柔らかい味のワインが多いようです。
ちなみにメドックは「ラフィット」「ムートン」「マルゴー」「ラトゥール」の4大シャトーあり。
グラーブは独特のこくがあるワイン多く、「シャトー・オー・ブリオン」。
ポムロールでは凝縮された香りと、豊潤でしなやなか味わいが特徴で、「シャトー・ペトリュス」。
ソーテルヌは貴腐ワイン

Domaine Gros Frere er Soeur 2009(仏AOC Bourgogne Hautes-cotes de Nuits 赤)<4>

ワインのアドバイスを色々してくれるワインアドバイザーの先輩、ガリ先生がブルゴーニュ好きだという事で。
ピノ・ノワール飲んでないなー、どんな品種なのか分からないなー、と思って。
ブルゴーニュ購入。


「Domaine Gros Frere er Soeur 2009」(ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール)
AOC Bourgogne hautes-cotes de Nuits(ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ)←長い産地呼称だ。「ブルゴーニュ」だけより上なんでしょう。
産地:仏ブルゴーニュ
品種:ピノ・ノワール 100%
度数:13%
金額:2,600円程度。
この日の料理:前菜3種(カマンベールチーズ、オリーブ、アンチョビ)、ラム肉のソテーシラーワインソース、ジャーマンポテト的なもの、ウニのスパゲティトリュフオイル風味

この日は一人食事なのに、ワインに合わせるつもりで料理頑張ってしまった・・。


【外観】
澄んだ淡いルビー色で、全体的にはクリアな印象。ロゼワインすら髣髴とさせます。
コアに至るまでクリアで、健康的なワインだと思わせます。ブルゴーニュワインのイメージ、こんな感じ。
リムもクリアで熟成は感じさせず。
レングスはグラス内にクリアに残り、垂れてこないので12%程度と予想したら13%でした。

【香り①(そのまま)】
まずは白樺の幹のような森の香り、優しい印象です。
奥にバニラかシナモンのような甘い香りがありますが、甘ったるいのではなく、清楚で上品な感じ。

【香り②(グラスを回して】
ふわっと優しく広がるのは、トリュフと感じたけどどうなんだろう。
調べてもそんな事書いてあるブログとか無いので、たぶん間違い。
なんか上品で高級な植物系の香りでした。
あとカシス。赤いベリーの甘酸っぱい感じ。
とにかくとても良い感じです。
若干大人しめです。

【味わい】
口に含むとバニラ、フレッシュなラズベリー、フランボワーズの香りが鼻に抜けて、大変心地よいです。
軽めのボディで個人的には薄めに感じてしまうけど、たぶんこれくらいが標準かと思います。
とにかくシルキーで優しく、優しい気持ちになりそう。
アルコールぽさも全然感じません。
個人的には、カベルネやシラーのような、パンチの効いてコントラストの強い品種が好きなようです。
でも、とても美味しいです。高級ワインって感じ。

<おべんきょ>
ブルゴーニュはかつて公国として栄えたところ。
9〜10世紀に多くの修道士がこの地に修道院を作り、ワイン生産を始めました。
産地はソーヌ川流域に南北に分布していて、大きく5つの地域からなっているようです。
シャブリ、コート・ドール、コート・シャロネーズ、マコネー、ボージョレ
主な品種は赤はピノ・ノワールとガメイ、白はシャルドネ、アリゴテなど。
ブルゴーニュの中心はコート・ドール(黄金の丘)。
その北半分がコート・ド・ニュイで南半分がコート・ド・ボーヌ。
前者ではシャンベルタン、クロ・ド・ヴージョ、ロマネ・コンティなど、
後者ではムルソー、コルトン・シャルルマーニュ、モンラッシェなどが有名。飲みたい。

ピノ・ノワールは気候や土壌にシビアで、かつてブルゴーニュ以外ではほとんど育たなかったが、
近年はカリフォルニア、オレゴンニュージーランド、オーストラリア等でも優秀なワインができているよう。
ただし、冷涼な気候の産地であること。
香りは赤系(イチゴ、ラズベリー、チェリー)で、スミレの香りもメジャー。
熟成すると枯葉、なめし革、キノコ。時にはジビエ肉のようなえも言われぬ香りも。
味わいは穏やかな渋みと強い酸味、優しくしなやかな味わい。
割と早熟で、近い年のワインでも、美味しく飲めるようです。

ピノ・ノワールは全体的にカシスやストロベリーや木苺的な香りと味わいがあるようで、そんな料理に合いそう。
ラム肉のラズベリーソースがけをイメージして料理してみたので、良いマリアージュが楽しめました。
またブルゴーニュワインは上品なキノコの香りのイメージがあったので、粒ウニに、トリュフオイルたっぷり使ってスパゲティ作ってみたけど、
これとの相性も抜群でした。ただ、この料理は原価高めでちとキツイですね・・。
あと他には鴨肉、ロースとビーフなどに合いそうです。味があまりヘビーでなく、香りと酸味のある肉料理って感じでしょうか。
酒屋さんでテキトーに選らんだら、かなりメジャーで定番なワインだったようです。
グロ家は200年の歴史のあるヴォーヌ・ロマネの銘醸造家で、特級畑のリシュブール、エシェジーなども持っているようです。
いつか飲んでみたいものです。

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか(スーザン・A・クランシー ハヤカワ文庫2006年)【7】

地球外生物、昔はワクワクしたなー。
最近はあまり流行ってないし、地球人以上の知能を持ったエイリアンが秘密裏に地球に来ては人をさらってる、
みたいな話に興味はあまり湧かなくなってしまったのだけど・・。
アメリカの心理学者が、アブダクション(=宇宙人にさらわれて色々実験されてから解放される)にあったという人たちからヒアリングを重ねて、
それを分析した本という事でちょっと興味が湧いて。
「あのね、アメリカでアブダクションにあったって人、ほとんど全て中流階級の白人で、黒人はいないんだって」とオススメされて読んでみました。


なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)

グレイ!
だっけこのタイプは。

【内容】
「エイリアンに誘拐されたことがある人求む」そんな新聞広告を見て集まってきた人たちを、
ハーバード大学の心理学者が一人ひとり話を聞いていく。
彼らに客観的証拠は無いけど記憶はあったり、記憶はないけどたぶん誘拐されたと思っていたり。
そう思い込むに至った人間の心理を解き明かしていきます。
(手元に本無いから、amaonの説明パクってしまった・・)


【感想】
エイリアンは出てきませんでした。
残念。
心理学的、社会学的な見地から、「なぜ人はエイリアンにさらわれたと思うのか」、つまり「実際に体験していない事を、体験したと思い込み、その記憶すら存在させてしまう」
にいたるプロセスに考えを巡らせていきます。
逆行催眠は忘れていた記憶を呼び覚ますのではなく、「こういう経験があったとしたら今の事に説明がいく」という無意識下の思いから、記憶を捏造してしまうと。
そんな思考の様相が、エイリアンによる誘拐と人体実験の具体的描写とともに書かれていてとても面白いです。
幼少期の性的虐待の事を聞き出すのはお互いにとってツラいが、アブダクションの記憶はみんな喜んで話すと。
そしてそれはショッキングで痛い(細く長い管を性器に挿されて精子を採られた、とか)出来事なんだけど、皆一様に、「あの経験があってよかった。あれをきっかけに僕は生まれ変わりました。僕は選ばれたのです」と言っていると。
そういえば日本には無いですねー、こういう文化。
いかにもアメリカっぽいなー、と思った次第です。
ああ、エイリアン映画がヒットするとその数年後に、アブダクションに会う人も増えるようです。
おすすめ。

食べる人類史 -日の発見からファストフードの蔓延まで-(フェリペ・フェルナンデス=アルメスト ハヤカワ文庫2003年)【6】

食と人類の歴史はもっとも興味のある分野のひとつ。
このタイトル見たら、読まないわけにはいきません。

食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

この表装はうまいな!

【内容】
人類の文化史の大家として知られる研究者による、
「食」に焦点を当てて人類の歩みについて書かれた本。
食に関わる8つの大きな革命があったとして、8章立てで
調理の発明、食べるための飼育、食べ物と身分、などのタイトルで構成されている。


【感想】
研究者による論文です・・。
読んでて疲れる疲れる。
世界中の様々な文献から多くの記述が引用してあって、その寄せ集めから持論を展開していますが、
こういった形式の本を読みなれていないので「調べたことを列記してあるだけじゃん・・・」と思ってしまいます。
咀嚼するのに時間がかかるー。
また、解説者も書いていましたが、食の保存、および醗酵について言及されていないのが残念。
最近福岡伸一づいているので(ラジオによく出てるし)、醗酵という作用が食文化に与えた意味が気になります。
個人的には、エッセイぽく読みやすい本じゃないと集中力続かないなー、と思った本でした。
とほほ。

Nostrada Tempranillo 2010(スペイン 赤)<3>


「Nostrada Tempranillo 2010」
たぶんVino de Mesa(=テーブルワイン)
産地:スペイン タラゴナ
品種:テンプラニーリョ 100%
度数:13%
金額:780円。安くて素敵!
この日の料理:帯広風豚丼、チキンの香草焼き、アラビア風ジャガイモとニンジンのサラダ

この日は自炊の予定だったのでワイン選び→料理で考えて酒屋に(いつもは料理に合わせてワイン買う)。
だけどあまりに寒い中ジテツーしたので頭働かず、「安くて美味いの!」と店主に伝えてオススメを買った。
なんのワインか全く分からないのでブラインドテスト練習。


【外観】
淡いルビー色、少し力を感じない寂しい感じ・・。
エッジは薄く(ちょっと水っぽい)、2010年か?(←正解でした!)
レングスははっきり輪郭が残りとろりと垂れてくるので、13%、もしかすると14%くらいかな、と予想。(←13%で正解でした!)

【香り①(そのまま)】
木の皮の香り、暖かい地方のワインぽい。
ただし樽熟成ぽい香りは弱いので、南半球ではなく、ヨーロッパぽい気がする。
イタリアかスペインかな。

【香り②(グラスを回して】
香りの広がりは正直弱め・・。
ふわっと広がる甘い香り。甘いベリーを煮詰めた感じ、これはストロベリージャム。
その濃くて甘いストロベリーが支配的で、よく探すと錆びた鉄クギが見つかった。
その酸味で、ただ甘いだけではなくメリハリになってバランスが取れているよう。

【味わい】
口に含んだ瞬間にピリっとスパイシーな刺激。
ピーマンとオレンジの香りが広がり、ストロベリージャムの香りと合わさって心地よい感じ。
難しいこと考えずに気楽に楽しめるワインです。
スペインかイタリア産だと思うのだけど、イタリア的な太陽の香りはない気がするので、スペインと予想。(←正解でした!これは嬉しかった)
ぶどう品種は、ピーマンの香りからカベルネソーヴィニヨンと予想。
正直、カベルネにしてはパンチが足りないと思うけど、シラーの胡椒もないし、メルローの穏やかさも無いし。
実はそれ以外のブドウ品種は勉強前なので分かりません・・。

と、ここまでテイスティングを楽しんでからボトルを見ると、テンプラニーリョ100%でした。
聞いたことあるけど、全然知らん!!


<おべんきょ>
テンプラニーリョはスペインを代表するブドウ品種との事。同国の栽培面積No.1のようです。
伝統産地リオハが有名。
ポルトガルでも栽培されていて、ポートワインにも使われているよう。
この品種名はスペイン語の「temprano(=早く)」に由来していて、早熟な品種である事を表していると。
なので、2009年とか2010年のワインでも美味しく飲めるようです。
その香りはなんといってもまずストロベリーと。わあ、僕の鼻もなかなかたいしたもんです。
ただしちょっとはっきりしない香りになりがちなので、よりジューシーで果実味溢れる
グルナッシュ、カベルネソーヴィニヨン、メルロなどとブレンドされることも多いようです。
また、スペインワインは伝統的にアメリカン・オークの樽で熟成されることが多く、ココナッツミルクを感じさせる甘いニュアンスあり。
アメリカンオークはココナッツの香り、フレンチオークはバニラの香りがワインに強くつくとのこと。その違い、おれにわかるかな・・)
伝統的スタイルで長期熟成された場合は、タバコの葉、なめし皮といった古酒ぽい複雑な香りも。
味わいとしては、酸味は地方・スタイル・価格帯がスペイン内でも多岐にわたるため一概には言えないと。
ただし渋みはそこそことの事。
長期熟成のものはフレッシュさに欠けるものの口当たりがやさしく渋みの角が取れた感じ、
熟成の短いモダンスタイルのものは若々しい果実味でグラマラスなように。
全く熟成させないものもあり、それはジューシーな果実味がさらに強くなるようです。


タラゴナカタルーニャ地方の古都で、ローマ時代の遺跡が数多く残ることで知られているようです。
この価格とは思えないほど凝縮した果実味が甘辛い帯広豚丼によく合って、美味しいワインでした。

Chateau LA TOUR DE MONS 2008(仏AOC MARGAUX CRU BOURGEOIS 赤)<2>

ワイン、2日に1本くらいのペースで飲んでいるのですがブログが追いつかない・・。
だいたい1,000円〜2,000円のワインなのですが、
今回は少しだけ高価でモチベーションの高い、美味しかったワインを先に紹介しますー。
やっぱボルドーワインは美味いわー。


「Chateau LA TOUR DE MONS 2008」
AOC MARGAUX CRU BOURGEOIS
産地:仏ボルドー
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン 65%/メルロー 30%/カベルネ・フラン 5%
度数:13%
金額:3,600円程度。ちょっと高かったみたいで、3,000円以下で買えるようだ。
この日の料理:ハンバーグ、恵方巻きぽいの、アボカド刺身、中華風スープ

ちょっと良いことがあったので、昨年末に買って取っておいたこれを開けました。
シャトーマルゴーが一番好きなので、マルゴー村のワインはなんでも期待。


【外観】
健全で明るいガーネット。とても綺麗。リムはうっすらとオレンジがかっていて、熟成始まったかな?という感じ。
レングスはグラス内にはっきり残り、ねっとりした感じは無いので13%と予想(←ドンピシャ正解でした!)

【香り①(そのまま)】
上質なボルドーという感じで、熟成されたタンニンが感じられます。
複雑な香りがストレートに鼻腔に絡んで来て「もっと香りを楽しんで!」とアピールしてくるようです。

【香り②(グラスを回して】
マルゴーぽい魅惑の香り。恍惚としてしまいます。幸せ。
カシス、ブラックベリーが見えました。あとは西洋杉と微妙なハーブとう表現が正解のようです。
西洋杉?なんとなく分かるような、分からないような。
ハーブってなんのハーブだろ。

【味わい】
ビロードの舌触り。嫌なところが一切無く、とてもスムースに喉を流れていきます。
酸味とタンニン、香りのバランスもとても良いです。青い野菜の茎の香り、土っぽさを感じました。
ハーブやスパイスを使用した料理、例えばラム香草焼きとか、牛肉のハーブ煮のような料理にマッチしそうです。
ただ残念な事に、時間とともに香りも味も平坦になってきてしまいました。
(あ、ってことは、「立体的な香り、味」という表現をすればよかったのか)
おそらく熟成が足りないのでしょう。きっとあと数年寝かせれば、より力強い、しっかりした美味しいワインになると思います。


<おべんきょ>
カベルネソーヴィニヨンといえば、赤ワインらしい渋み、酸味の個性が強く、コクもある重厚なワイン。
ボルドーメドック、グラーヴの代表品種。カリフォルニア、オーストラリア、チリ。ボルドーでは多品種とブレンドして使用するが他地域は単一品種での使用が一般的。
外観は濃く強い赤色、または青みの強い赤色。(熟成したものは深いガーネット色)
香りは黒みがかった果実、特にブラックベリーやカシスを中心に胡椒、木の皮の香のものが多い。
低価格なワインでは若々しい果実味が感じられる。優れたものや熟成のしっかりしたものではブラックチョコレート(ビター)、甘草(リコリス)、カシスリキュール、鉛筆の削りかす、葉巻の箱、タバコ、杉の木の香。
特別に優れたものはバラの香が感じられる。逆に成熟の満たないものには果実香に達しない野菜、草、特にピーマン系の香が残る。アロマティックと評価できる品種である。
味はタンニン(渋み)が強く、濃い味で、コクが強いフルボディータイプ。未成熟のものは渋みがはっきりとし、酸味が強い。優れたものや熟成したものは、酸味が滑らかで、渋みも力強さに対して滑らか且つ味に深みが見られ、酸味と渋みのバランスに優れる。
重厚なソースを使用した肉料理やシンプルに肉の旨みを強く出す肉料理との相性は最高のようです。ビーフステーキやフォアグラなど。


マルゴー村のワイン、なんとも言えない、淫靡な魅力があります。
美の女神に身も心も虜になってしまうような。
魅惑的なワインです。
シャトーマルゴー、飲みたいなぁ。

世界は分けても分からない(福岡伸一 講談社現代新書2009年)【5】

生物と無生物のあいだ」ですっかりトリコになってしまった福岡先生の本が置いてあって、
帯に「顕微鏡をのぞいても生命の本質はみえてこない!? 科学者達はなぜ見誤るのか?」とあるので
期待して手に取りました。

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

【内容】
63万部突破のベストセラー「生物と無生物のあいだ」の著者であり生物学者である福岡センセの、
生物、特に細胞に焦点をあてた色々なエッセイ集。
ランゲルハンス島だったり、ガン細胞だったり、食べ物が腐る仕組みと保存料の働きなど、全12章。

【感想】
科学って面白いなー!
人体ってすげえなー!
細胞って不思議だなー!
と素直に関心しながらあっという間に読めちゃいました。
自転車競技をやっていると、人間の細胞の働きには、普通の人よりもよく気にしているし実感あると思います。
生物と無生物のあいだ」では人間の全ての細胞は3ヶ月で生まれ変わる、と書いていましたが、
毎日自転車乗っているとホントに新しい細胞がどんどん生まれて変わっていくのが分かるし、
ちゃんと栄養を与えてあげないとすぐに働きが鈍くなります(=身体に疲労が出てくる)。
今回の「世界は分けても分からない」では、連続性・つながりをひとつのキーワードに多岐にわたる事例が紹介されていて、
こんなにも複雑で不思議な生命体が存在する事は、なにかやっぱり神様が作ったのかと思っちゃうくらい神秘的で美しいです。
というわけで、色々考えさせながら楽しく読めました。
難しい内容も分かりやすく書いてあるので、数時間で読めちゃいます。